活性酸素について

【1】活性酸素ROSとは
活性酸素は呼吸により発生する
スーパーオキサイド  過酸化水素  ヒドロキシルラジカル
活性酸素(Reactive Oxygen Species: ROS)とは、人間が呼吸する空気中の酸素O2分子が酸化力の強い状態に変化したものを指します。

主に、スーパーオキサイド(O2・-)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(OH)などが含まれます。

これらはすべて、正常な呼吸の過程で発生します。


呼吸とは一般的には、酸素を吸って、二酸化炭素を吐くことです。ですが、呼吸の細胞レベルにおける正体は、食物から電気エネルギーを取り出す反応にほかなりません。ヒトはこの電気エネルギーを使って生きています。

電気エネルギーすなわち電子を取り出すことを酸化と呼びます。酸素を用いると非常に効率よく食物などから電子を取り出すことができることもあり、酸化という言葉が一般的に使われます。つまり、呼吸で細胞に取り込まれた酸素は、食物から得られた炭水化物やたんぱく質、脂質などから電子を奪い取る(燃やす)のです。

活性酸素は電子の取り込みが完了していない、すなわち酸化力が強いのです。

【詳しく解説すると…】
O2分子1個は4個の電子(e-)を取り込むことができ、最終的には水(H2O)の形になります。O2もH2Oも安定なので、ここに含まれるOは活性酸素ではありません。両者の間には、4個の電子エネルギーの差がありますが、例えば、O2が一個の電子を取り込むと、スーパーオキサイド、2個取り込むと、過酸化水素(H2O2)、三個取り込むと、ヒドロキシラジカル(HO)ができます。つまり、安定なO2とH2Oの間にある、4個の電子の取り込みが完了していないOが活性酸素というわけです。これら三種類の活性酸素はさらに電子を取り込んで、H2Oの形に落ち着こうとします。電子(e-)を取り込もう、取り込もう、言葉を変えれば、電子を周りの生体分子から奪い取ろう、奪い取ろうとする力が強いのです。
電子を奪うことが酸化ですから、活性酸素は酸化力が強い、ということになります。


この中でも、最強かつ無差別に酸化する能力が高いのがヒドロキシラジカルです。他の二つ活性酸素、スーパーオキサイドと過酸化水素は、逆にその酸化力を利用して外敵から身を守るための殺菌に用いられたり、炎症や血管運動、神経活動の際のシグナルとして活躍します。
ところがヒドロキシラジカルは、その反応の速さと無差別さから、役割があるどころか、生体内では最も危険な分子と考えられています。


【2】活性酸素の毒性
ヒドロキシラジカルが持つ毒性の中でも問題なのは、生命が生命たる、何億年も生命の設計図であり続けるDNAが酸化されてしまうことです。

つまり、DNAの遺伝暗号を担うG(グアニン)を酸化により8ヒドロキシグアニンとし、遺伝暗号を失わせるのです。

【詳しく解説すると…】


DNAはA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)という4つの暗号が連なった二本の鎖がより合わさったもので、それぞれの鎖のGとC、AとTがペアを組むことによって正確に相手の鎖の順番が決定されます。この順番こそがすべての生命の設計図となっているのですが、この中のG(グアニン)は酸化されやすいとされ、実際にヒドロキシラジカルによって酸化され、8ヒドロキシグアニン(8-OHdG)となります。これはもはや遺伝暗号の正確さを担うGでありません。Cとペアを組まなければ、相手の鎖、すなわち子孫の鎖に間違った暗号が伝わります。GはなんとAとペアを組んでしまうことがあるので、遺伝暗号が失われます。

遺伝暗号は設計図です。設計図が間違うと、ヒトの体どころか、細胞がおかしくなります。人間100年近くも生きていると、ある程度はDNAが酸化されていきます。設計図自体が酸化されるので、老化の主因と言えるでしょう。
また、がんに関係する遺伝子が酸化されておかしくなると癌細胞ができてしまいます。

がんに関係ない遺伝子でも、本来ヒトが持っていない妙なたんぱく質ができてしまいます。これはもう自己とはいえず、したがって細菌やウイルスなどの非自己を攻撃する免疫の標的になってしまいます。

つまり、
ヒドロキシラジカル→
DNAの酸化(8ヒドロキシグアニンの増加)→
遺伝情報の間違い(突然変異)→
癌化、老化、そして自己免疫疾患
ということになります。

活性酸素の有害な酸化能力は、このようにヒトの体を、細胞を、構成要素を、遺伝子からタンパク質、脂質、糖質に至るまで酸化してしまい、老化、癌化、免疫異常の主因となりうるものです。


【3】酸化ストレス
酸化ストレスが高くなると
防御機能が負けて、生体が酸化されていく

酸化ストレスが高くなる状態
精神的ストレス・糖尿病・虚血などの身体環境
過剰な運動、慢性炎症疾患なども過剰な活性酸素が発生してしまう


活性酸素は、正常の呼吸でも一定量発生しますが、ヒトはそれを打ち消すスーパーオキサイドジスムターゼやカタラーゼなどの防御酵素を持っています。健康な状態ではこれらがバランスを取っているのですが、活性酸素の発生が過剰になる状態、すなわち、酸化ストレスが高い状態になると、防御機構が負けて、生体が酸化されていきます。
酸化ストレスを避けるのが重要なわけです。

酸化ストレスが高くなる状態はたくさんあります。
精神的ストレス、糖尿病などの代謝性疾患、組織の血流が低下する虚血、そしてその後の再灌流障害など生活習慣病を呼び込むほぼすべての身体環境がこれにあたります。また、激しい運動、慢性炎症性疾患においても過剰な活性酸素が発生します。

酸化ストレスを軽減するのは、日頃の生活、人生そのものが重要ですが、寿命が極めて伸びた(二倍近く)この百年、酸化ストレスの軽減はむしろ困難になっています。社会構造の複雑化や、脳が処理しなければならない情報量の急増と巨大化は、脳を頂点とする人体に対して、膨大な酸化ストレスとなっています。

つまり我々人類は、高度に発展した医学の傘に守られていながらも、膨大な酸化ストレスの嵐に吹かれている状態と言っていいでしょう。


【4】活性酸素を緩和する
生活習慣を適正化することは非常に重要ですが、我慢や制限ばかりでは、これも面白くありません。面白くないと脳が酸化ストレスに弱くなりかねません。
直接酸化ストレス、すなわち活性酸素を消し去るものが必要です。

ビタミンCをはじめとして、抗酸化物質、あるいはサプリメントは市中に溢れています。しかしながら、それらについて医学的あるいは科学的な証拠を探すと、はっきりと断言できるほど、効果があるとは思えません。また、副作用とまで言えなくとも、摂りすぎによる有害性は常に念頭に置く必要があるでしょう。

現在のところ、人類がたどりついた理想に近い抗酸化物質がH2と考えられます。

H2を日常的に摂ることができれば、
二つのハードルを下げることができるでしょう。
ハードルの一つは、疾病に罹患しないように、生命時間をどう守るのかという、生命時間の質(quality of time)を守るためのハードル【下記動画参照】のことです。もう一つは、活性酸素が関与する病態を改善するためのハードル、すなわち疾病克服のハードル【下記動画参照】のことです。

これらを裏付ける科学的、医学的証拠は十分蓄積されています。

【解説CG】「QUALITY OF TIME」と水素の関係

【解説CG】「水素が下げる健康へのハードル~リウマチ疾患編~」


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